「読書の秋」なのに本が進まない理由は時間ではなく段取り
涼しくなって夜が長くなると、「今年こそ本を読もう」と思い立つ人は多いはずです。ところが、本屋や図書館で数冊借りたものの、手つかずのまま本棚や玄関に積み上がっていく。いわゆる「積ん読」の状態になってしまうことがあります。
読書が進まない原因は、実は「読む時間がない」ことより、「いつ・どこで読むかを決めていない」ことにあります。ここでは、1日15分から始めて、秋のうちに数冊を読み切るための段取りを紹介します。
1日15分でも、約2週間で文庫本1冊が読める
まず、15分でどれくらい読めるのかを計算してみましょう。大人の読書のスピードは、一般に1分あたり400〜600字程度です。15分なら6,000〜9,000字になります。
文庫本は1冊でおよそ10万字前後が1つの目安です。1日15分の読書を続ければ、11〜17日、つまり約2週間で1冊を読み終える計算になります。9月から11月までの約90日間で、毎日15分を続けると、6冊前後を読める勘定です。「まとまった時間がないから無理」と思っていた人ほど、意外と現実的な数字ではないでしょうか。
「〜したら読む」で読書のスイッチを固定する
読書を習慣にするコツは、すでに毎日やっている行動の直後に読む時間を紐づけることです。「時間ができたら読む」だと、いつまでも始まりません。次のような形で決めておくと、迷わずに本を開けます。
- 朝のコーヒーやお茶を入れたら、飲み終えるまでの15分
- お風呂上がりに髪を乾かしたら、寝る前の15分
- 昼食を食べ終えたら、休憩時間の残り15分
あわせて、本の置き場所も固定します。ソファの脇、ベッドの枕元、ダイニングテーブルの端など、その行動をする場所に1冊置いておけば、本を探す手間がなくなります。
積ん読を減らす3つのルール
すでに何冊も積んである場合は、増やさないルールと、減らすルールの両方が必要です。
ルール1:手元に置く未読は3冊まで
未読の本が10冊も20冊もあると、どれから読めばいいか迷って、かえって手が止まります。「いま読む本」は3冊までにして、それ以外は本棚や箱にしまっておきます。3冊なら「今日はどれにしようか」という選ぶ楽しさも残りつつ、迷いすぎることもありません。
ルール2:新しい本を買う前に、1冊読み終える
積ん読が増える最大の原因は、読み切る前に次の本を買ってしまうことです。「1冊読み終えたら、次の1冊を買う」と決めておくと、本の数が増え続けるのを防げます。
ルール3:30ページ読んで合わなければ閉じる
読み始めた本は、最後まで読まなければならないわけではありません。最初の30ページを目安に、「合わない」と感じたら潔く閉じてかまいません。合わない本を我慢して読み続けると、読書そのものが苦しくなってしまいます。別の本に切り替える方が、結果的に読む冊数も増えます。
「スマホを見る15分」を、そのまま本の15分に置き換える
「15分を新しく作るのは難しい」という人は、すでにある時間を置き換えてみてください。夜、寝る前にスマートフォンで動画やSNSを見ている時間はありませんか。そのうちの15分を本に替えるだけで、生活のリズムを変えずに読書時間ができます。
そのとき、スマートフォンを別の部屋か、手の届かない場所で充電しておくのがコツです。手元にあると、通知が気になって本に集中しにくくなります。あわせて、手元だけを照らす暖色系のライトを1つ用意し、温かい飲み物を用意しておくと、「本を読む場所」として気持ちが切り替わりやすくなります。
読む場所を整えるのに、大きな投資は要りません。座る場所を1か所決め、その脇に本と飲み物を置くスペースを作る。これだけで、始めるまでのハードルがぐっと下がります。
読書のスタイルは、場面に合わせて使い分ける
読書は紙の本だけではありません。電子書籍やオーディオブック、図書館の本など、場面によって向いている形が違います。特徴を表にまとめました。

たとえば、就寝前は画面を見ない紙の本、通勤中は荷物にならない電子書籍、料理や洗濯をしながらならオーディオブック、という使い分けができます。図書館は貸出期間が2週間前後のところが多く、返却期限が「読み切る」後押しになる点も見逃せません。
読み終えたあとの1行メモで、次の1冊につなげる
1冊を読み終えたら、スマートフォンのメモやノートに、1行だけ感想を残しておきましょう。「何が印象に残ったか」「誰かに教えたいことは何か」を短く書き留めるだけで十分です。読んだ内容を思い出す手がかりになりますし、読み終えた達成感が積み重なって、次の1冊にも手が伸びやすくなります。
まとめ|1日15分の「きっかけ」を決めて、秋に6冊を目指す
読書の秋を実りあるものにするには、大きな決意より、小さな段取りのほうが効きます。毎日の行動の直後に15分を紐づける、手元の未読は3冊まで、合わなければ30ページで閉じる。この3つだけ決めておけば、秋のあいだに6冊前後を無理なく読めます。まずは今夜、枕元に1冊置くところから始めてみてください。


